昭和大学ストレスマネジメント研究所の歩み:エビデンスを確認したいとき参考になる文献

  • 中尾睦宏, 熊野宏昭, 久保木富房(翻訳). リラクセーション反応(The Relaxation response), 星和書店, 全213頁, 2001.
    (解説:ハーバード大学医学部心身医学研究所を創設したハーバート・ベンソン先生の名著。平易な語り口で、リラクセーションの意味を深く学ぶことができる。全国の書店で注文・購入ができる。一部のネット書店では、一時的な在庫切れで注文できない場合があるが、星和書店には十分な在庫あり。)
  • 足立總一郎, 足立昇平, 中尾睦宏, 城月健太郎. 自分で「ストレスケア」ができる本 図解+書き込み イメージでつかめる「うつ」と「不安」, ペーパーバック, 全160頁, 2016.
    (解説:ハーバード大学医学部心身医学研究所のストレスマネジメントプログラムを日本人用に6週間にまとめ、某事業所で効果を調べる研究をした際のテキストにした本。専門用語をできるだけ避け、誰でも気軽にストレスマネジメントができるように記載している。)
  • Nakao M, Fricchione G, Myers P, Zuttermeister PC, Baim M, Mandle CL, Medich C, Wells-Federman CL, Arcari PM, Ennis M, Barsky AJ, Benson H. Anxiety is a good indicator for somatic symptom reduction through a behavioral medicine intervention in a mind/body medicine clinic. Psychotherapy and Psychosomatics 70:50-57, 2001
    (解説:ハーバード大学医学部心身医学研究所で実施されていた身体愁訴を改善するための10週間のストレスマネジメントプログラムの効果をまとめた研究論文。内容は専門的であるが、PubMedから英文抄録が検索できる。→https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11150939/)
  • 中尾睦宏, 久保木富房. ハーバード大学医学部心身医学研究所の行動医学的ストレスマネージメントプログラムに参加する身体不定愁訴患者の臨床的特徴:東京大学医学部心療内科外来データベースとの比較. 行動医学研究 9: 1-8, 2003.
    (解説:手前で紹介した#3の英語論文が苦手な方は、この日本語論文が参考になる。これも専門的な研究論文ではあるが、当時のハーバード大学医学部心身医学研究所と東京大学医学部心療内科との実践活動を対比させているので、参考になる。J-stageから全文PDFが無料で読める→https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjbm/9/1/9_1/_pdf/-char/ja)
  • 中尾睦宏. ハーバード大学における心身医学の展開:Mind/Body Medical Instituteでの活動を中心に. 心身医学 45(7):487-494, 2005.
    (解説:留学から帰国して間もない時期に日本版ストレスマネジメント研究所の設立を目指して執筆した総説論文。今と変わらぬ前向きな抱負を書いているので懐かしい。メディカルオンラインから全文PDFが無料で読める→https://mol.medicalonline.jp/library/journal/download?GoodsID=cv6jpsym/2005/004507/103&name=0487-0494j&UserID=202.254.227.190&base=jamas_pdf)
  • Nakao M, Shinozaki Y, Ahern DK, Barsky AJ. Anxiety as a predictor of improvements in somatic symptoms and health anxiety associated with cognitive–behavioral intervention in hypochondriasis. Psychotherapy and Psychosomatics 80:151-158, 2011.
    (解説:#3で紹介したハーバード大学医学部心身医学研究所で実施されていた身体愁訴を改善するための10週間のストレスマネジメント・プログラムを6週間に短縮し、前回と同等の治療効果をランダム化比較試験で示した論文。当研究所が今回実施するストレスマネジメント・プログラムを6週間に短縮できる医学的論拠の1つとしている。内容は専門的であるが、PubMedから英文抄録が検索できる。→https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21372623/)
  • Shirotsuki K, Nonaka Y, Takano J, Abe K, Adachi So, Adachi Sh, Nakao M. Brief internet-based cognitive behavior therapy program with a supplement drink improved anxiety and somatic symptoms in Japanese workers. BioPsychoSocial Medicine 2017 Sep 1;11:25. (解説:手前で紹介した#6で紹介した6週間のストレスマネジメント・プログラムを日本人健常者用に改訂し、オンラインを意識して開発したもの。ランダム化比較試験により、#3や#6と同様に、不安の改善につながることを証明した。内容は専門的であるが、PubMedから英文全文が無料で読める。→https://bpsmedicine.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13030-017-0111-y)
  • FurukawaH, Noda S, Kitashima C, Omine M, Fukumoto T, Ono H, Ohara A, Nakao M. A pilot randomized controlled trial of the Shogi-assisted Cognitive Behavioral Therapy (S-CBT) Preventive Stress Management Program. BioPsychoSocial Medicine 2022 Jan 4;16:1. (解説:手前で紹介した#7と同様に、6週間のストレスマネジメント・プログラムを日本人健常者用に改訂し、否定的な感情だけでなく、前向きな思考(ポジティブ心理)につながることを実証した先駆的な研究論文。日本将棋連盟の協力を得て、将棋を楽しみながらストレスマネジメント・プログラムを行った。その結果、生活の活動度が上がり、気晴らしが増え、自分に自信がつき、問題解決スキルが向上することを示した。内容は専門的であるが、PubMedから英文全文が無料で読める。→https://bpsmedicine.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13030-021-00229-8
  • 中尾睦宏, 野田昇太, 喜多島知穂. コロナ禍の今だからこそ問うウェルビーイング:幸福感と心身の健康とのつながり. 心療内科学会誌 25(2):59-65, 2021.
    (解説:コロナ禍のため医療従事者として限界近くまで追い詰められながらも、ポジティブ心理の健康効果を信じて執筆した総説論文。幸せと健康について深く考えることができ、本研究所の設立の意義につながる内容となっている。メディカルオンラインから全文PDFが無料で読める。→https://mol.medicalonline.jp/library/journal/download?GoodsID=cy2jspim/2021/002502/002&name=0059-0065j&UserID=202.254.227.190&base=jamas_pdf)
  • Dossett ML, Fricchione GL, Benson H. A new era for mind-body medicine. New England Journal Medicine 2020 Apr 9;382(15):1390-1391.
    (解説:ハーバード大学医学部心身医学研究所を創設したハーバート・ベンソン先生の遺作となった最後の論文。一流医学雑誌であるN Engl J Medに掲載されている。リラクセーション反応を引き起こすストレスマネジメントが、セルフケアに役立ち、レジリエンス(回復力やしなやかさ)を高めることを説いている。N Engl J Med のホームページから英文全文が無料で読める。→https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMp1917461?url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori:rid:crossref.org&rfr_dat=cr_pub%20%200pubmed)